WHITE CROSS留学基金について

2019年1月、私どもがWHITE CROSS株式会社を起業した時からの目標の一つであった、一般社団法人WHITE CROSS留学基金を、共同代表理事の田代と共に設立いたしました。

その活動目的は、グローバルな視点で歯科医療を通じて、日本社会の発展に貢献する次世代の歯科医療人を育成することを目指した奨学金制度の運営であり、歯科医療人のMBA留学と歯科大学留学を支援していきます。

設立の背景や、MBA留学奨学金からスタートさせた理由、そして私の個人的な理由について描かせていただきます。

 

設立の背景

私は日本歯科医療は、医療の中の歯科医療として、生きる力を支える医療として国家・国民に貢献できる非常に大きな可能性を有していると感じていました。

ご縁をいただき、2018年から歯界展望にて「日本歯科医療への提言」という年間連載をさせていただきました。そこにおいて、私は日本歯科医療の社会的価値の向上を前提とした成長戦略を描いてきました。その結果、見えてきた日本歯科医療の方途は、まさに健康寿命の増進・医療費抑制に大きく寄与するものでした。

今の歯科医療界に必要なのは、未来への意思決定権を持つ年配層とこれからの時代を担う若手層との「協調」、そして成長戦略の「立案・実行力」であると私は考えています。歯科医療が皆保険制度に組み込まれている日本国においては歯科外との折衝が必要不可欠となります。そこにおいて歯科医療に軸足をおきながら、日本および歯科医療の枠を越えた視座と政治経済についての知見を持ち、歯科医療を通じた日本社会の発展や日本国の成長戦略の立案・実行を担える人材の育成が必要不可欠となります。

プロパーで「立案・実行力」を担う人材を育ててきた先人達のあり方は尊重するべきであり、現に素晴らしい人財がおられます。そのような方々と協調して、学府において、歯科医師会・歯科医師連盟・歯科衛生士会・歯科技工士会などの業界団体において、そして歯科医療関連ビジネスにおいて、独自の知見を持って成長戦略の実行を担える人材の育成を目指して、WHITE CROSS留学基金は立ち上げられました。

 

MBA留学奨学金からスタートした理由

私は、歯科医師として5年間の臨床経験を積んだ後に、MBA留学をしました。UCLAでの2年間は、私自身の人生において燦然と輝く、素晴らしい学びの連続でした。また、日本社会そして日本歯科医療を客観視し、その可能性と自分に何ができるかを考え続ける時間でした。

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日本の歯科医療従事者の大半は真面目に生き、歯科医療を大切に思い、それぞれの立ち位置から歯科医療を通じた社会への貢献に尽力しています。

帰国してからの3年半の間に、歯科医療がより良いものになって欲しいという願いを持つ多くの歯科医療人に出会いました。そのような方々が、もしMBA留学を経験して帰国し、歯科医療を通じた日本社会の発展に貢献したなら、歯科医療の社会的価値が向上するのではないかとワクワクします。

それ故に、MBA留学奨学金からスタートいたしました。

今後、選考基準を丁寧に組み上げながら、臨床医の歯科大学留学奨学金も運営して行く予定です。

 

個人的理由

私が留学を開始した2013年は、アベノミクスにより為替が大きく変動した時代でした。資産の目減りにより資金不足に陥り、授業料が払えなくなりかけた時、Nozawa Scholarshipという奨学金(LAで家電流通ビジネスで成功された野沢御夫妻の寄付によりできた日本人の私費留学生を対象とした奨学金)をいただき卒業することができました。(その時のストーリー

その時に、少なくともこの数倍を個人として社会に還元することを決めました。卒業して数年が経過し、私自身道半ばの未熟者ではありますが、向こう3年間、年に一人、Nozawa Scholarshipと同額であればと思い、WHITE CROSS共同創業者の田代と共に設立しました。

基金を続けられるように生きていくことはまた、私自身への良いモチベーションにもなります。

志のある歯科医療人の皆さんに、ぜひ留学に挑戦してもらいたいと願っています。

留学基金ホームページへはこちらから

世界で最も恵まれた環境で、起業家人生を歩んでいること

歯科医師の多くが、意識はしていなくてもU.S. Newsが毎年だしている「米国ベストジョブ ランキング」などの情報をしっています。

そのU.S. News において、日本とスイスが世界のベストカントリーに選ばれ、起業環境においても日本が世界1位という記事がでました。

U.S. News _ Switzerland and Japan Are the World’s Best Countries

U.S. News _ Entrepreneurship

ちなみに、起業環境で第2位がドイツ、第3位が米国とのことです。

米国で経営学を学び、東京で起業した私としては、「まっ、そうかもな・・・。」と思います。起業環境について、実際にゴリゴリのベンチャーファイナンスを経験してきた身として、文書や署名がデジタル化されていったらもっと効率よくなるな・・・とか思う事もありますが、全体として非常に整ったベンチャーエコシステムができあがってきているのではないでしょうか。

日本を過剰に賛美するつもりもありませんし、そんなはずはないと卑下する気もありません。ただ、自分の国が認められる事は、国民として嬉しく誇らしいことです。

 

日本は社会全体がなんとなく自信を失っているように感じる時があります。ただ、明治維新以降、常にもがいて苦しんで成長してきたのがこの国です。我々は、我々の世代特有の課題に向き合っていくだけのことです。

 

たった一つの切り口かもしれませんが、「世界のベストカントリーで、世界でもっとも恵まれた起業環境において、起業家人生を歩んでいること。」

この事実は、私に幸運感と責任感を与えてくれます。

 

「自らの1日の怠惰が、歯科医療を通じた日本国の発展を1日遅らせている」というとおこがましいかもしれませんが、そういう思いで日々を過ごしています。

 

自分の置かれた環境に感謝をする、嬉しいニュースでした。