東北大学歯学部は、副社長の田代と私の母校です。そして、歯科保存学分野の齋藤正寛教授からいただいたご縁で、今年で3年目となる学生講義にて、1年ぶりに本学を訪れました。
私と田代が同時にオフィスを離れる唯一のイベントが、母校に戻る時です。こちらは学生時代にたまに訪れていた仙台メディアテークの1Fのカフェです。
3.11後の復興の影響や、卒業してからの時間の流れもあり、仙台の街並みは大きく変わっています。青春時代の思い出が詰まった箱庭のどこ歩いていても、何かを思い出します。
本学では4年生を対象に「学生生活の先にあるもの」というタイトルで、講義をさせていただきました。
日本社会において歯科医師という仕事は非常に恵まれた素晴らしい仕事であり、これから歯科医師として巣立って行く世代は、その中でも特に恵まれた時代を生きていくことになります。ただ、人口動態の変化や地域包括ケアの時代に差し掛かるなど歯科医療を取り巻く環境が大きく変化していく時代を生きる彼らにとって、マクロの視点で今後何が起きるかを知っておくことは大切です。
歯科医療には夢と希望があることを知ってもらいながら、マクロ視点でのインプットを得てもらうことをゴールとした講義をさせていただきました。
そして、直後に5年生、6年生の希望者を対象とした特別講義を行います。こちらに参加される学生さんたちは1年前、2年前に私の講義を受けています。
そのため、歯科医師を対象に行っている普段の講演会レベルに視座を高めての講義です。参加地点で興味を持って参加してくれているため、非常に真剣に話を聞いてくれます。
講義の後は、学生さんと齋藤先生の医局員の先生方とでの合同での懇親会でした。
「赤司先生が女性歯科医師だったとしても、今と同じ道をあゆみましたか?」
「自分にあった研修先の選択の仕方をおしえてください。」
「留学をしたいのですが、どういう道があるでしょうか?」
「研究者になりたいです。」
「起業に興味があります。」
12年前の自分達がそこにいるような気がしました。そして、彼らよりほんの少し人生を長く生き、アドバイスをしている自分がいます。
齋藤先生のおかげで、講義した2年後に彼らがどう成長しているかを知ることもできました。
学生と真剣に向き合い、学部の発展に尽力する先生方がいて、真剣に未来を模索している学生さんたちがいて・・・東北大学歯学部は、そして歯科医療界は、今後ますます素晴らしく発展していくことでしょう。
本学に帰ると、初心に帰ることができます。真剣に問いかけてきてくれる学生さんたちと向き合うと、私達も恥ずかしくない生き方をしていきたいと思いました。