帰国して5年が過ぎました

2015年6月21日に、LAを離れ、帰国しました。留学で貯金を使い果たし、ポケットの10万円と両脇のスーツケース2個が全財産で、本当に他にも何もない状態でした。それでも、ワクワクしながら成田空港に到着した日のことを今でも鮮明に覚えています。その日から5年間、とにかく働きました。

初期からWHITE CROSSを支えてくれているメンバーには、随分と負担をかけてきました。それでも、辞めずについてきてくれていることに感謝しかありません。組織規模が大きくなってきている最近では、各事業運営はマネージャーにまかせ、私は私にしかできない仕事に集中できています。

次の5年も、素晴らしい仲間とともに、「生きている感」の強い時間を過ごしていくのでしょう。楽しみです。

新型コロナを越えて、その先へ

この2ヶ月間、WHITE CROSSも新型コロナウイルスの影響を受けました。東京が緊急事態宣言下にある間は、基本的にリモートワークとしました。社会のひりついた空気に飲まれないように、平時以上に気持ちを落ち着けて丁寧に対応できたことで、誰一人休職させることなく今を迎えています。

WHITE CROSSを創業した時、「歯科医療従事者のための日経新聞のオンライン版のような王道メディアが、日本の歯科医療界には必要」と考えていました。この3ヶ月間、歯科に関わるコロナ関連の情報を集中的に適時配信してきました。その結果、非常に多くの歯科医療従事者の皆様にご利用いただくことができ、コロナ関連の歯科医療現場の情報インフラのような役割をある程度果たせ、我々が創造しようとしてきた価値に一歩近づけたように感じています。とはいえ、満足できるレベルではなく、見果てぬ夢です。

 

コロナ前後で社会が大きく変わるという見解もありますが、社会が面として飛躍的に変わることはあり得ません。コロナはあくまできっかけで、社会の一部機能において新陳代謝が起こる。あるいは、もともと予見されていた変化が加速するだけのことです。

歯科医療は手作業の医療であり、リアルに価値を持つ安定産業です。新型コロナウイルスにより、歯科医療の本質が変わることはありえず、歯科医院の機能も変わりません。不可逆的に変わることがあるとすれば、感染対策に対する一般社会の認識レベルが高まったことでしょうか。歯科医院において行うべき感染対策を、ちゃんと行なっていかなければいけない時代に入る可能性があるということでしょう。それについても、以前よりその必要性が謳われていた領域であり、外部環境の変化によってもともと予見されていた変化が加速するものの一つでしょう。

 

昨日は、大阪歯科大学で非常勤講師として講義をさせていただきました。コロナが歯科医療に与える影響を含め、米国における歯科医療・歯科医師について講義をさせていただきました。ありがたいことです。

さて、東京に帰ります。