あれから半年

半年前の4月7日、日本は緊急事態宣言を発令しました。当時、フルリモートに移行して誰もいないオフィスで一人、暗澹とした空気にとらわれないように気持ちを静めていました。先が見えず、私が生きる東京都心は・・・そしておそらく日本全国が異常なまでの暗さと不安に覆われていたように思います。

「この状況が半年続いたら・・・」という経営者としての死への覚悟を固め、「目の前のできることに取り組み、自分より社員とその家族を優先して守る。」と決めた時を境に、如何に生き残るかに焦点を当てた戦略の再構築が始まり、WHITE CROSSは大きく変化してきました。

今、半年前の自分に会えたなら、「社員も、そのご家族も、あなたも無事です。会社は時の風を捉えて成長しています。だから、迷わずに進んでください。」という言葉を伝えたいです。その一方で、社会全体では苦しんでいる方々・企業さんが多くいらっしゃいます。この半年、WHITE CROSSに何があったかを、つぶさに記載するには時期尚早に思います。

このような時節にも関わらず、多くの新しいご縁もいただきました。

・ 日本歯科保存学会 2020年度秋季学術大会 特別談話会『人生100歳時代を迎え、次世代型の保存治療学を求める』
・ 東北大学歯学部同窓会第36回卒後研修会 (2021年秋開催予定)
・ PHIJ Update meeting 2021
などに登壇させていただけることになりました。

その一つ一つが、人が与えてくださったありがたいご縁です。正直、このような大役をいただける日が来るとは思っていませんでした。

また、保存学会でご一緒させていただいた宇田川歯学部長先生から、松本歯科大学の非常勤講師を拝命致しました。教壇に立たせていただくのは東北大学、大阪歯科大学に続く3校目となります。これからの歯科医療を担う学生さん達に、歯科医療の素晴らしさを伝えさせていただける貴重な機会です。

一つ一つ、全力で取り組ませていただきます。

 

起業して一番よかったのは、人への感謝を起業以前より深く感じられるようになったことです。若い頃は「俺が、俺が・・・」という自我の意識が強くあり、自分にベクトルが向いていたように思います。それは悪いことではなく、未来につながる強烈な推進力になっていました。自分自身が意識や行動の核であることには変わりありませんが、徐々に「活かしていただいて・・・。ご縁をいただいて・・・。期待していただいて・・・。社員のおかげで・・・。」という外向きのベクトルが強くなり、周囲の人のために真剣に働くことを自然のものとして捉えるようになってきています。もちろん、完全に・・・と言えるほど人間できてはいませんし、私利私欲は消し去れません。そこに至れるのは千日回峰行をなした大阿闍梨様でもない限り・・・と凡俗の私は思います。

凄まじくアップダウンのある日々を必死で生き抜いている起業家としての自分と、そういう自分を第三者のストーリーのように淡々と眺めている自分とがいます。

昨日、起業した時から書き続きてきたノートが、50冊目に入りました。全て保存しており、読み返してみると日1日の積み重ねの先に今があることを実感します。
ここ数年間、WHITE CROSSは成長に向けた地盤づくりをしてきました。そして、半年前には全く予想できなかった今というタイミングで、成長ステージに入りました。採用を強化し、仲間を増やしていきます。

未来が楽しみです。