18日から21日にかけてSilicon Valley/San Franciscoに行ってきました。

LAからSilicon Valleyは車で6時間程度の距離です。同時期に各B-SchoolのTech-Tripが開催されており、Andersonからも100名以上がSiclicon Valleyに本社をおくe-BayやGoogleへの就職を目指して訪れています。

私の場合はTechへの就職活動とは異なり、一緒に旅をした松村さんの場合はVCへのコネクション作り、私の場合はSilicon ValleyやBay-Areaのアントレ環境を知るための、個人企画でのTripでした。

18日
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LAからSilicon Valleyまでは、地平線まで続く真っ直ぐなハイウェイをひたすら北上です。荒涼とした風景の中、所々、広大な酪農場やオレンジ畑が広がっている・・・アメリカの広さを実感できます。

Silicon Valleyは・・・世界のHigh-Tech産業の中心であり、様々な革新的技術が生まれる土地ということで、見るからにサイバーな建物が立ち並ぶ場所かと思いきや・・・ゆったりとした土地に点々と、Facebook/Cisco/Microsoft/Appleと言ったハイテク界の各グローバル企業本社があります。

想像していたよりずっと地味な場所だな・・・というのが、素直な感想です。

到着当日は、日系のインキュベータにてヒアリングをさせていただきました。

19日

朝からStanford大学前の通りのカフェにて、東海岸のB-SchoolのAlumusで、ベンチャーキャピタリストとして働かれている方とお話をさせていただきました。

当たり前の話ですが、産学連携が進んでいる米国においても、UniversityのBasic Research→Applied Research →ビジネス化 という一連の流れに変わりはありません。これまた当たり前の話ですが、High Techのようにビジネス化までの期間が短いIndustryと、Clean TechのようにR&Dの期間が凄まじく長いIndustryの両方があります。投資サイドからすると、当然、後者については二の足を踏みがちですが、そこをカバーするためにApplied Researchへの投資を専門としたNPOが米国には存在し、$500~2,500Mの資金を動かしているとのことでした。

凄い生態系だな・・・と思います。

そういった機能がないことも踏まえて、日本において起業文化が育っていない主要因は、
1. 起業を通じて取り組むべき課題の選定の段階で、ローリスク/ローリターンの課題が選定されがちな点

2. Venture Capitalの判断基準の違い
: 日本のVCの基準は、”黒字転化するかどうか”にあり、米国のVCの基準は”いつ資金が切れるか”にあるとの事でした。例えば、Amazonはその収益性ではなくビジネスとしての可能性に対して投資が続けられたが故にビックビジネスになったという側面を持っており、日本のVCの判断基準ではこれは難しいとうことです。確かに(笑)

3. Start-upの人材不足
: 日本では、ベンチャーを立ち上げた際に、A-Stage/B-Stageで終了することが通常のため、Silicon Valleyと比較した際に、それ以上を目指すうえでの人材が圧倒的に不足しているとの事でした。これまた確かに(笑)

4. Buy-outの難しさ
: 米国では、大企業がある一定水準でStart-upを買い取ることが取り決められているため、Buy-outが当たり前の文化であるということです。確かに、日本円にして数十億円クラス、時には数100億円/1千億円超でのBuy-outが日常的に行われている米国に対して、日本においては100億円クラスのBuy-outがここ最近での最高クラスです。

もともとなんとなく感じていた項目もあり、第一線のキャピタリストの方からの言葉として聞くと腑に落ちます。

そうして、私達が話をしている近くのテーブルでも、投資家と起業家が話しこんでいます。Silicon Valleyの持つ世界でも特殊なビジネスの生態系を目の当たりにすると、これまで自分が日本歯科医療界で培ってきた感覚と全く異なる感覚を得ることができます。そのどちらが良いという話ではありません・・・ただ、こういう瞬間に、世界は面白いもので溢れている・・・と感じられます。

私の専門であるヘルスケア関連の話となった時に、MD/MBAのDual-Degreeの方が立ち上げたベンチャーについての話がでました。具体的には、癌患者さんのデータをひたすら集めビッグデータ化し、治療のクリティカルパスを抽出するというビジネスアイディアです。過去7年間に渡りデータ集めのみを行っており、未だビジネス転化できていないにも関わらず、継続的に資金提供を受け続けているとの事です。

医師/歯科医師が医療をビジネス化することについて、日本人的感覚から言うと違和感を感じる方もおられるかもしれません。ただ、実際B-Schoolに身を置くと、日本の医療プロフェッショナルは、あまりにもビジネス・マネジメント的側面を軽視しすぎているように感じます。前職で大規模歯科医療法人のGeneral Managerとして、現場の改革/効率化を担ってきたこともあり、医療をInnovateする上で必要なのは現場へのマネジメントの導入とプロフェッショナル自身の関連ビジネスへの参入であると感じていたのですが・・・ここ最近、それは確信になってきています。

”医療を提供する者として、より効率的に高品質の治療を提供できる環境を整えることも、プロフェッショナルとしての仕事の一つです。そのためには、ビジネスやマネジメントを学び応用することも大切です”と言い換えれば、それはより受け入れられやすい内容になります。

既存の日本のプロフェッショナルの教育システムでは、取るべきバランスが身につけ辛いように感じます。

先述のベンチャーにしても、結果として、クリティカルパス治療の患者への提供/医療費削減を通じて社会的価値を生みうるのであれば、それを通じて医師/歯科医師が起業家として成功することに、何の問題もないと思います。寧ろ、プロフェッショナルだから分かる分野だからこそ、医師や歯科医師が起業家になり、社会に新しい価値を生んで行くことは素晴らしいことだと私は思います。

ところで、この癌患者さんのデータについてのビジネスアイディア、歯科医療にも当てはめられる可能性があります。寧ろ、各歯科医師の経験や考え方の違いで治療内容が大きく異なってしまう・・・歯科医療自体がスタンダライズされてない未完成な医療であるからこそ、ビックデータからクリティカルパスを抽出することはイノベーティブに働く可能性があります。まっ、詳しくは書きませんが、日本の歯科界においてカルテなどをベースに本当に正確なデータを手に入れる事は、難しいでしょう。これまた詳しくは書きませんが、歯科大学なら比較的正確なデータを収集できると仮定した際に、大学病院の大学病院たる価値をわかりやすく生むことができるのではないかと思います。

などなど、素晴らしい示唆に富んだ面談でした。

どの段階で、現在のTechのバブル傾向に異変が生じるか・・・それもまた、私のビジネスアイディア/方向性に影響を及ぼします。

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その後、Stanford大学を訪問し、GSBのアントレ・センターにてヒアリングをさせていただきました。Stanfordのキャンパスは圧巻でした。

私自身、Anderson のEntreprener Association で、Director of Business Creationをさせていただいている事から、アントレの最高峰であるStanfordやBerkeleyにおけるアントレの実態を知りたくて、事前にAndersonのStudent Affairにお願いしGSB/Haasの両方へ訪問手配をして臨みました。
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結論から言うと、Stanford/Berkeleyそれぞれに、Silicon Valley/Bay AreaそれぞれのOutside Resourceを生かせることが最大にして最強の優位点であるということです。裏を返せば、起業家になるには、環境は二の次で、自分の意思と手足で動くしかないという点ではどこにいても同じです。とはいえ、良いアイディアを持って動こうとした際の周囲の反応の強さについては、やはりSilicon Valleyは凄いな・・・と感じました。

Haasのアントレセンターでは、どの分野のアントレが多いかという質問に、はっきりと”Teck”という答えが返ってきました。無論、それ以外で起業されている方々もおられますので、あくまで単純な質問に対する単純な答えということです。

自分自身で訪問し情報を集めたことで、自分が世界最高峰のMedical School/School of Dentistry/Engineering School をOutside Resourceとして持ち、アントレに特化したJoint Courseの履修もできるUCLAにいる理由を強く再認識できました。Stanford/Haas共にかつて私のDream Schoolでしたが、来た後でUCLAこそ自分にぴったり合うB-Schoolであることを認識できた事は凄く幸せなことです。

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その後、車で小さい一時間かけ、San Franciscoに移動し、ユニクロブランドを展開するFirst Retailing U.S.Aの方との面談をさせていただきました。

グローバル企業としてのヴィジョン/米国展開/米国各都市のマーケット特性などについてお話を聞かせていただくことができ、分野は違えど素晴らしく学びのある時間となりました。また、これまでの私が考えたことすらなかったグローバル企業で働く魅力を知ることができました。また、心を遊ばせない事の大切さを感じさせていただきました・・・そう言えば、私の前職における師匠である鈴木理事長も心を遊ばせない人でした。業種を問わず、トップランナーであり続ける人々の共通点なのかもしれません。

たまに、前職の経験を考えるに、自分は起業家ではなく企業家ではないか・・・と思うことがあります。つまり、ゼロから作ることより、一定まで出来上がっている会社をさらに強くすることの方に才能があるのではないか・・・という事です。それも含めて、模索の日々です。現段階で、自分との整合性が取れ得る範囲での可能性は捨てる必要がありません。これから時間を掛けて集約させていきます。

面談直後に、ダウンタウンのユニクロの店舗を実際に訪れてみたのですが、お伺いしていたマネジメント目線と現場との連続性について、肌身を持って感じることができたのは大きな収穫でした。

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B-Schoolの学生として、様々の業界のトップランナーである方々にお会いさせていただくたびに、新しい学びがあります。人間性/人としての余裕/プロフェッショナリズム・・・その全てに、これまでの私にはなく、今後の私が身に付けていべき点があります。

教育/経験/交流させていただいた人々 は、人間性/人生観の形成に大きな影響を与えます。

夜は、Silicon Valleyの中心であるPalo Altoに戻り、Andersonを中退したHajiとその友人達の飲み会に参加させてもらいました。Stanford/MITなどのTech系の最高峰の大学を卒業され、Silicon Valleyの第一線で働く同世代のエンジニアの皆さんとの交流を通じて、エンジニアのものの見方やSilicon Valleyで働く方々の仕事感の一面を知ることができました。

19日/20日

内容自体は先述の通りになりますが、Berkeley Haasのアントレ・センターを訪問させていただきました。

ところで、UCLAもBerkeleyも熊がマスコットキャラクターなのですが、Haasの構内にある熊の銅像が凄くかわいいんです。

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ぽってりとしたメタボ体型の熊が二匹、まったりとしているこの銅像・・・下手な御当地キャラよりよっぼどいいキャラしてるわ(笑)

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後は、Berkeleyの学部生の方で、東京大学を休学して留学されている方とダウンタウンで中華を食べながら、その方の専門分野である日本政治について学ばせていただいたり・・・Fisherman’s Wharfでアルカドラズ島を眺めながらクラムチャウダーを食べたり・・・San Francisco周辺出身でWinter breakで帰郷していたAndersonの同級生の方々とダウンタウンが一望できる公園でランチをしたり・・・ゴールデンゲートブリッジを見たり・・・と楽しみました。

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LAへの帰り道、車を運転しながら再度思いました。世界は本当に面白いもので溢れているな・・・と。正しい選択だったのかどうかは分からず暗中模索の日々ですが、B-Schoolに着たからこそ得られる素晴らしい学びや出会い、視野の広がりは確実にあります。分かり辛いかもしれない表現ですが、それらは異なる水流が混ざり合うように私に溶け込んでいくように感じています。

全てが無駄にならないように・・・これからの日々を一層、積極的に人に会い、丁寧に過ごして生こうと思います。まっ、生きることを怠けてはいけないということでしょうか。

素晴らしい旅でした。

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